江戸の大詩人 元政上人 京都深草で育んだ詩心と仏教
中公叢書
出版社名 | 中央公論新社 |
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出版年月 | 2018年12月 |
ISBNコード |
978-4-12-005154-8
(4-12-005154-4) |
税込価格 | 2,090円 |
頁数・縦 | 270P 20cm |
商品内容
要旨 |
「西の元政、東の芭蕉」と言われ、芭蕉はもとより、西鶴、季吟、一茶、蕪村から宮沢賢治、姉崎正治に及ぶ錚々たる文人たちに敬慕された江戸初期の大文化人、元政上人。古来、わが国の芸術・文学に多大な影響を与えてきた法華経に、上人は幼少の頃から親しみ、天台三大部を熟読。経典読解に資する膨大な著作をものして、宗門内外の仏教理解を深化させ、広博な学識と教養に裏付けられて漢詩、和歌、紀行文など数々の秀作を遺した。本書は、江戸期第一級の学僧の人物像とその文化史的、宗教史的意義を没後三五〇年の今、忘却の彼方から蘇らせる画期的な労作。 |
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目次 |
第1章 深草隠棲 |
おすすめコメント
元政上人は、法華宗の僧侶としてだけでなく、漢詩、和歌、文筆に秀でた江戸時代有数の文化人として知られていた。元政上人の名前を知る人は、今となってはほとんどいないかもしれない。まさに忘れられた詩人・文学者≠ナある。けれども、松尾芭蕉や、井原西鶴、北村季吟、小林一茶、宝井其角、与謝蕪村といった江戸時代を代表する文化人たちがこぞって元政上人を仰ぎ、讃嘆していた人であり、宮沢賢治の「雨ニモマケズ手帳」にも「元政」の名前を挙げて上人の短歌がメモされていたことなどを知れば、没後三百五十年の歳月を経た今、元政上人を改めて見直すことも、日本文化の源流を知る上で重要なことであろう。――「はしがき」より