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スポーツ国家アメリカ 民主主義と巨大ビジネスのはざまで

中公新書 2479

出版社名 中央公論新社
出版年月 2018年3月
ISBNコード 978-4-12-102479-4
4-12-102479-6
税込価格 946円
頁数・縦 254P 18cm

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要旨

日本人選手の活躍で身近になった大リーグだが、アメリカではスポーツは、日本人の想像を超えた存在感を持つ。野球、アメリカンフットボール、バスケットボールなどのアメリカ生まれの競技理念を子細に検討してみると、そこにはアメリカ的価値観が刻み込まれているだけでなく、その発展過程からは、この国でスポーツが民主主義と資本主義の両立という目標と密接に関わってきたことがわかる。本書では、スポーツが差別の是正や地域の活性化などを先導する公共財としてアメリカで機能してきた様子と、一方ではそれがビジネスやメディアとも結びつきながら、ポスト冷戦時代の新たな社会状況を反映しつつある様子を分析。スポーツからアメリカという国の正体に迫るという、興味深い考察を行っている。著者は慶應義塾大学法学部教授で、アメリカ文化研究、現代アメリカ論を専攻。著書に『性と暴力のアメリカ』(中公新書)などがある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2018年05月08日]

商品内容

要旨

野球、アメフト、バスケなどの母国アメリカ。国民が熱狂するこれらの競技は、民主主義とビジネスの両立への挑戦を体現している。人種、性の格差解消を先導する一方で、巨大化したプロスポーツでは、薬物汚染に加え、経営側の倫理が揺らぐ場面もある。大リーグの外国人選手獲得や、トランプ大統領とプロレスの関係は、現代アメリカの何を象徴するのか。スポーツで読む、超大国の成り立ちと現在。

目次

スポーツの近代化とアメリカ
第1部 アメリカ型競技の生い立ち(南北戦争と国技野球の誕生
科学的経営管理の手法とフットボールの「アメリカ化」 ほか)
第2部 スポーツの民主化と社会改革(人種の壁への挑戦
女性解放とスポーツ ほか)
第3部 スポーツビジネスの功罪(資本主義下のスポーツ倫理
メディアが変えるスポーツ ほか)
第4部 スポーツと社会の新たな共振(アメリカ型競技の孤立主義とパックス・アメリカーナ
記憶装置としてのスポーツイベント ほか)
スポーツ・アメリカ的創造力・近代社会

おすすめコメント

自由と平等の理念を持つ、移民の国アメリカ。全米がスーパーボウルに熱狂するなど、スポーツが大きな存在感を持つ。野球をはじめとするアメリカ発祥の競技は、社会や文化とどう関係しているか。人種や性、地域社会の問題にアスリートたちはどう向き合ってきたか。大リーグの選手獲得方法やトランプ大統領とプロレスの関係は、現代アメリカの何を象徴しているのか。スポーツから見えてくる、超大国の成り立ちと現在。

著者紹介

鈴木 透 (スズキ トオル)  
1964(昭和39)年東京都生まれ。87年慶應義塾大学文学部卒業、92年同大学院文学研究科博士課程修了。慶應義塾大学法学部教授。専攻は、アメリカ文化研究、現代アメリカ論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)