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日本の私立大学はなぜ生き残るのか 人口減少社会と同族経営:1992−2030

中公選書 120

出版社名 中央公論新社
出版年月 2021年9月
ISBNコード 978-4-12-110120-4
4-12-110120-0
税込価格 2,200円
頁数・縦 355P 20cm

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要旨

少子化による18歳人口減少のあおりを受けて「大学」の入学者が減り、経営破綻に至る私立大学が続出する“危機”が、この10年ほどささやかれてきた。だが実際には半数近い46.4%(2021年度)の大学が「定員割れ」となるものの、大学数は逆に増えている。この奇妙な現象はなぜ起きているのだろうか。本書では、2人の海外の人類学者が、日本の私立大学の「強さ」の謎に、フィールドワークやデータ分析から迫っている。キーワードは「同族経営」。日本の私立大学の4割を占めるとも言われる同族経営の大学が、その性質からレジリエンス(粘り強さ、回復力)を発揮したことが、危機を免れた要因であると著者らは結論づけている。事例として解説されているメイケイ学院大学(仮称)は、著者らが2003年から2004年にかけて12ヵ月間フィールドワークを行った同族経営の大学である。著者のジェレミー・ブレーデン氏は、オーストラリアのモナッシュ大学准教授で、専門は日本の教育・雇用システム。ロジャー・グッドマン氏は、オックスフォード大学日産現代日本研究所教授で、日本の社会福祉政策、高等教育を専門としている。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2021年10月20日]

商品内容

要旨

二〇一〇年代半ば、日本では大学の「2018年問題」がさまざまに議論されていた。十八歳人口の減少によって、日本の弱小私立大学は次々と経営破綻すると予想されたのだ。しかし今、日本の私立大学の数は逆に増えている。なぜか。著者たちは人類学者ならではのフィールドワークとデータの分析によってその謎に迫る。導き出されたのは、そのレジリエンスと「同族経営」の実態であり、内側からは見えにくい日本社会の本質でもあった。

目次

序章 「2018年問題」
第1章 予想されていた私立高等教育システムの崩壊
第2章 日本の私立大学を比較の視点から見る
第3章 ある大学の危機―MGU:1992‐2007
第4章 法科大学院とその他の改革―MGU:2008‐2018
第5章 日本の私立大学のレジリエンス
第6章 同族ビジネスとしての私立大学

出版社・メーカーコメント

 2010年代半ば、日本では、大学の「2018年問題」がさまざまに議論されていた。18歳人口の減少によって、日本の弱小私立大学は次々と経営破綻すると予想されたのだ。しかし、日本の私立大学の数は逆に増えている。なぜなのか。 著者たちは人類学者ならではのフィールドワークとデータの分析によってその謎に迫っていく。導き出されたのは、日本独自の「同族経営」の実態であり、それは私立大学のみならず、日本社会の本質をも炙り出している。他に例をみない私立大学論であり、卓抜な日本社会論ともなっている。 オクスフォード大学教授・苅谷剛彦氏による解説を付す。

著者紹介

ブレーデン,ジェレミー (ブレーデン,ジェレミー)   Breaden,Jeremy
豪モナッシュ大学准教授。1973年生まれ。メルボルン大学人文学部・法学部卒業、同大学博士号取得(人文学)。専門は日本の教育・雇用システム
グッドマン,ロジャー (グッドマン,ロジャー)   Goodman,Roger
オックスフォード大学日産現代日本研究所教授。1960年生まれ、英国エセックス州出身。ダーラム大学人類学社会学部卒業、オックスフォード大学博士号取得(社会人類学)。専門は日本の社会福祉政策、高等教育
石澤 麻子 (イシザワ アサコ)  
1989年生まれ。国際基督教大学(人類学専攻)卒業、オックスフォード大学大学院現代日本研究修士課程修了。オックスフォード大在学中はロジャー・グッドマンに師事。現在は記事の翻訳、執筆を中心に活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)