• 本

きいろいゾウ

出版社名 小学館
出版年月 2006年3月
ISBNコード 978-4-09-386162-5
4-09-386162-5
税込価格 1,650円
頁数・縦 426P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  •  最後まで読み進めないと本書の良さはわからない。前半は若夫婦の日常が描かれるが、なんとなく退屈で、ぬるま湯につかったような展開がだらだらと続く。ただし、誤解しないでいただきたいが、読書子のような地方在住者にとっては、田舎の日常風景などは逆に刺激が少なく感じられるのだ。ところが、ムコが昔の恋人に会うために東京へ行くあたりから、俄然人物に動きが出始め、面白くなってくる。お互い離れた場所にいる若夫婦の体験する出来事が、ひとつのテーマに沿って見事に収束してゆき、前半の単調な展開もラストへの布石だったと気づいた。ページが進むほど夢中になってゆく快感を味わってみてください。(のり)

    (2006年4月4日)

商品内容

要旨

その昔。少女は、病室できいろいゾウと出会った。青年は、飛ばない鳥を背中に刻んだ。月日は流れ、都会に住む一組の若い夫婦が、田舎の村にやってきた。妻の名前は、妻利愛子。夫の名前は武辜歩。ツマ、ムコさんと呼び合う、仲のよいふたりだった。物語が、いま、はじまる。最新にして最深の、恋愛長編小説。

出版社
商品紹介

『さくら』が20万部を突破した著者が紡ぐ書き下ろし恋愛長編小説。田舎に暮らす大阪弁の若い夫婦の愛に溢れた日常を、のびやかな筆致で描く。

おすすめコメント

ちっぽけな夫婦の大きな愛の物語――。「ムコさん」「ツマ」と呼び合う、片田舎に暮らす大阪弁の若夫婦。売れない小説家のムコは、周囲の生き物の声が聞こえてしまうツマをやさしく見守っていた・・・。

出版社・メーカーコメント

夫の名は無辜歩(むこあゆむ)、妻の名は妻利愛子(つまりあいこ)。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う若夫婦が、九州の片田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、百足、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりゆっくりとその年の冬まで進んでいき、「ある出来事」を機にムコがツマを残して東京へ向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった。ひとり残されたツマは、幽霊に出会い、家のそばにある裏山のなかへと進んでいった。そこで彼女は、あるものに遭遇する。 20万部突破のロングセラー『さくら』の著者が描きとる、ちっぽけな夫婦の大きな愛の物語。

著者紹介

西 加奈子 (ニシ カナコ)  
77年5月、イラン・テヘラン市生まれの大阪育ち。関西大学法学部卒業。04年『あおい』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)