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VRは脳をどう変えるか? 仮想現実の心理学

出版社名 文藝春秋
出版年月 2018年8月
ISBNコード 978-4-16-390884-7
4-16-390884-6
税込価格 2,420円
頁数・縦 364P 19cm

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要旨

ここ数年で格段の技術進歩が見られるVR(仮想現実)。安価な簡易型ゴーグルも登場し、今後、飛躍的に普及する可能性もある。だが、感覚を直接的に刺激するVRは、共感力を高めたり、新たな気づきを与えたりする反面、暴力的衝動を惹起する、物事の現実感がなくなるなどの負の側面もあるようだ。本書では、世界のVR研究のトップランナーである著者が、VRが社会や人間をどのように変えるのか、プラスマイナス両面から実証的に論じている。実際にアメフトチームの練習や、企業研修などに取り入れられていたり、「共感力」を高める難民キャンプのVRドキュメンタリー映画が製作されていたりする事例を、著者が関わったものを含め多数紹介。それとともに、長時間VR体験を続けた場合の心理変化といった、数々の心理学や脳科学実験を取り上げなから、今後のVR開発・普及がどうあるべきかを考察・提言する。著者はスタンフォード大学教授(心理学、コミュニケーション学)。同大学でバーチャル・ヒューマン・インタラクション研究所を設立し、所長を務めている。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2018年09月19日]

商品内容

要旨

VRを新しいゲームや映画の一種だと思っていると、未来を見誤る。このメディアはエンタテイメントだけでなく、医療、教育、スポーツの世界を一変させ、私たちの日常生活を全く新たな未来へと導いていく。その大変革を、心理学の視点から解き明かそう。現在のVRブームは、クラウドファンディングから始まった小さなVR機器メーカー「オキュラス社」をFacebookが巨額で買収したことから始まった。世界を驚かせたその買収劇のわずか数週間前、マーク・ザッカーバーグは本書の著者の研究室を訪れ、最新のVRを自ら体験していた。そこでザッカーバーグが味わった衝撃が、この本には詰まっている。

目次

なぜフェイスブックはVRに賭けたのか?
一流はバーチャル空間で練習する
その没入感は脳を変える
人類は初めて新たな身体を手に入れる
消費活動の中心は仮想世界へ
二〇〇〇人のPTSD患者を救ったVRソフト
医療の現場が注目する“痛みからの解放”
アバターは人間関係をいかに変えるか?
映画とゲームを融合した新世代のエンタテイメント
バーチャル教室で子供は学ぶ
優れたVRコンテンツの三条件

著者紹介

ベイレンソン,ジェレミー (ベイレンソン,ジェレミー)   Bailenson,Jeremy
スタンフォード大学教授(心理学、コミュニケーション学)。同大学でバーチャル・ヒューマン・インタラクション研究所を設立し、所長を務める。ノースウェスタン大学で認知心理学の博士課程を修了。VR(バーチャル・リアリティ、仮想現実)研究の第一人者。現在のVRブームの発端となったフェイスブックによる「オキュラス」買収直前には、マーク・ザッカーバーグCEOがベイレンソン教授の研究室を訪れ、教授が制作した最先端のVRを視察していた。心理学者としてキャリアを始め、人々のコミュニケーションについて研究を行う中で、VRが人の心理や行動に大きな影響を与える、従来にないまったく異質なメディアであることに注目。以後、VR心理学の専門家となる。
倉田 幸信 (クラタ ユキノブ)  
1968年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。朝日新聞記者、週刊ダイヤモンド記者、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集者を経て、2008年よりフリーランス翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)