• 本

コロナ危機と欧州福祉レジームの転換

出版社名 昭和堂
出版年月 2023年12月
ISBNコード 978-4-8122-2301-7
4-8122-2301-6
税込価格 3,520円
頁数・縦 285P 22cm

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要旨

すでに話題になることも少なくなってきたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、各国の経済や行政に多大な影響を与えたのは確かだ。とりわけ、拡大初期にイタリアをはじめとして世界的な「中心地」となった欧州においては、EUの制度や内部の政治的な力関係などに「コペルニクス的転回」が起きた。
本書では、2020年に始まったパンデミックへのEUの戦略、9の加盟国の社会保障制度を詳細に分析。南欧を中心に被った打撃に対して、EUはどのように「連帯」し、中長期的な復興戦略を立てていったのか。そしてその一連の動きが、欧州の福祉レジーム(福祉が生産され、それが国家、市場、家族の間に配分される総合的なあり方で、その相違が福祉国家の類型を決定する)をいかに転換させたのか。その転換は、日本をはじめ他国・地域の国際協力や福祉行政のあり方にも影響するものといえる。
編者の福原宏幸氏は大阪市立大学名誉教授。専門は社会政策。中村健吾氏は大阪公立大学大学院経済学研究科教授。専門は社会思想史。柳原剛司氏は松山大学経済学部教授。専門は社会保障論、比較経済システム論。なおダイジェストは中村健吾氏による序章から抜粋して作成した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2024年1月24日]

商品内容

要旨

2020年に始まったコロナ・パンデミック。EUとその加盟国はどのように対応したのか。各加盟国の対策と中長期的な復興戦略は、欧州の福祉レジームに重大な変化をもたらしつつある。EUの戦略、9つの加盟国の社会保障制度の分析を通し、その持続と転換を浮き彫りにする。

目次

コロナ危機を経てEUは社会的な連邦主義へ向かうのか―経済・財政ガバナンスと医療・福祉レジームの改革
第1部 コロナ危機下の雇用・家族政策(雇用・福祉領域におけるフランスのコロナ対応―マクロン政権は何をしたのか
コロナ危機下におけるデンマークの雇用と社会保障―北欧福祉国家は危機にどのように対応したのか
コロナ危機下におけるハンガリーの雇用・家族政策―オルバーン政権の家族政策再論)
第2部 コロナ危機下の所得保障制度の役割(ドイツにおける市民手当導入とコロナ・パンデミック―所得保障はどう変わるか
オランダにおけるコロナ危機対策と最低生活保障―パンデミックは福祉国家をどのように変化させたか
スウェーデンにおける所得補償と就労支援政策―普遍的福祉国家制度は市民の暮らしを守るのか)
第3部 コロナ危機にともなう福祉の担い手の変容(コロナ危機に揺れるイタリア―分断・慈悲・友情・連帯・家族の責任
コロナ危機とベルギー連邦政府の対応―分権化のなかでの反貧困・社会的包摂政策
イギリスにおける国家‐市民間関係の変容―パンデミックはシティズンシップに何をもたらしたか)

著者紹介

福原 宏幸 (フクハラ ヒロユキ)  
大阪市立大学名誉教授。博士(経済学)。専門は社会政策
中村 健吾 (ナカムラ ケンゴ)  
大阪公立大学大学院経済学研究科教授。博士(文学)。専門は社会思想史
柳原 剛司 (ヤナギハラ ツヨシ)  
松山大学経済学部教授。博士(経済学)。専門は社会保障論、比較経済システム論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)