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明文堂書店のレビュー
 
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掲載レビュー全736件
 
誰も死なないミステリーを君に
ハヤカワ文庫 JA 1319
井上悠宇/著
早川書房
税込価格  670円
 
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優しさと切なさに満ちた深い感動を、読者(きみ)に捧ぐ
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 遠見志緒にはその人が死ぬ運命にあるのかどうかが分かる、という特異な体質があった。志緒にだけ見える死の予兆を、《僕》は《死線》と名付けた。しかしそれは確実な運命を表すものではなく、回避可能な死の予兆である。正しいやり方で死の要因を取り除けば、死線は消える。死線が見える志緒と、彼女の突飛な言葉を信じる《僕》だけが、見えない致命傷を負った誰かを助けることができる、と死の運命を回避するために、他の誰も知 …続きを見る (2018年03月17日)
 
小説禁止令に賛同する
いとうせいこう/著
集英社
税込価格  1,512円
 
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小説というものに興味がある人は、是非ご一読を!
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 近未来が舞台。さる重要な部局による『小説禁止令』に賛同した収監者の《わたし》(著者自身と重なる部分が多い人物)は、憎むべき小説の欺瞞を暴くための随筆を小冊子『やすらか』に執筆している。かつて小説を書いていた《わたし》が『小説禁止令』に賛同する随筆を書く、という小説の中で、小説の不可思議を論じていく行為が、《わたし》(そして著者の)の小説への愛(と憎しみ)を感じさせるものになっています(混乱してき …続きを見る (2018年03月10日)
 
メルカトル
角川文庫 な52−5
長野まゆみ/〔著〕
KADOKAWA
税込価格  562円
 
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『メルカトル』という表紙の《地図》を開いて、旅に出る
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 とある港町の運河で酔っぱらいの船員に拾われ、救済院で孤児として育った十七歳のリュス・カルヴァート。自身の名前の意味を《排水管のゴミ虫》と頑なに信じるリュスは、学費を稼ぐ目的で、港町ミロナにある《ミロナ地図収集館》で働いていた。そんな生い立ちから自らの感情を封じこめようとする性質を持つリュスはある時、彼に敵意を向け、嫌がらせを行っていた利用者の少年から「祖父からの正式な書状」と言われ、奇妙な書状と …続きを見る (2018年03月07日)
 
バナナの皮はなぜすべるのか?
ちくま文庫 く28−1
黒木夏美/著
筑摩書房
税込価格  1,026円
 
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バナナの皮は如何にしてギャグとなったのか?
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
《バナナの皮ギャグは国境を越え時代を超え、作品のジャンルの違いを乗り越えて、今日まで受け継がれてきた。チャップリンやドリフターズを知らない人は現在ではすでに珍しくなくなりつつあるが、バナナの皮ギャグならなぜか誰もが知っている。そんな驚異的な知名度を誇るバナナの皮ギャグ、しかしそれは有名無名の大勢の笑いの職人たちがバナナの皮ギャグをリレーし続けてくれたおかげなのである。》
 本書は《バナナの皮です …続きを見る (2018年02月27日)
 
ディレイ・エフェクト
宮内悠介/著
文藝春秋
税込価格  1,566円
 
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不条理な騒動が、深い哀しみを持った物語へと変わっていく
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
《わたしは婿養子なので、実際は義理の祖母にあたる。その義理の祖母は娘より若い七歳で、故人で、半分ほど透け、身体のうしろ半分は液晶テレビにめりこんでいる》
 2020年現在と戦中の1944年が、突如、重なり合う。そんな《ディレイ・エフェクト》と名付けられた奇妙な出来事に襲われた東京。芥川賞候補になった表題作は、そんな不条理な騒動が、深い哀しみを持った物語へと変わっていく傑作です。続く「空蝉」はわず …続きを見る (2018年02月22日)
 
雪子さんの足音
木村紅美/著
講談社
税込価格  1,404円
 
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親切が生み出す、リアルな人間関係。
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
《眠るように死んでまだきれいなうちに下宿人に見つかるというのが、雪子さんの理想の最期だった。その望みは叶えられなかったことを、八月の終わり、薫は出張さきの品川のホテルで朝刊を読んでいて知った。》
そんな始まりの雰囲気からは想像できないような、意外な刺激を持つ作品です。物語は熱中症で月光荘の大家である川島雪子(90歳)が亡くなったということを、20年前に月光荘で暮らしていた湯佐薫が知るところから始 …続きを見る (2018年02月22日)
 

ちくま文庫 か67−1
アンナ・カヴァン/著 山田和子/訳
筑摩書房
税込価格  972円
 
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あまりにも美しく、どこまでも昏い……。
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 あまりにも美しく、どこまでも昏い。本書を読みながら浮かんできたのは、そんな言葉だった。終わりゆく世界と薄幸の美少女への深い思慕。そこから容易に連想される涙を誘うような感動や甘いロマンスはここには欠片も存在していない。必要以上の説明を排した言葉で創造された静かな世界の底から、ときおり、痛切な咆哮が聞こえる。アンナ・カヴァンが表現した《誰も見たことが無いであろう》世界は、凡庸な理解を平然と拒絶する。 …続きを見る (2018年02月18日)
 
サハラの薔薇
下村敦史/著
KADOKAWA
税込価格  1,728円
 
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圧倒的疾走感がたまらない、予測不能の冒険ミステリ!
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 考古学者の峰隆介をリーダーとする発掘隊がエジプト発掘調査で発見した石棺。その中に入っていたのは、数千年前のミイラではなく、死後数ヶ月しか経っていないミイラだった。盗掘者が仲間割れの末、放置された、と予想されるそのミイラに、歴史的価値は皆無と峰は感じたが、エジプト考古省が過剰反応を見せたり、峰に対する突然の襲撃と遺物保管庫襲撃事件のタイミングが重なったり、と不審な点は多かった。そして発掘調査は最後 …続きを見る (2018年02月10日)
 
私はテレビに出たかった
朝日文庫 ま40−1
松尾スズキ/著
朝日新聞出版
税込価格  1,015円
 
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遅れてきた青春が暴走? 最良にして最高の青春エンタメ!
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 有名外食チェーン店『肉弁慶グループ』東京本社の人事部に勤めるいたって普通の中年サラリーマンである倉本恭一は『肉弁慶グループ』の今期のCМへの出演を依頼されたことを嫌がる上司(実は大して嫌がってはいないのだが……)に代わりCМに出演することになる。しかし撮影に遅刻する上に、現場に向かう途中で踏んでしまった犬のウンコが放つ異臭のせいでテレビ関係者に迷惑を掛けてしまう。仕事を早退し失意の中にいた恭一は …続きを見る (2018年02月10日)
 
口笛の上手な白雪姫
小川洋子/著
幻冬舎
税込価格  1,620円
 
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私が本書とともに過ごした時間は、間違いなく至福に満ちていた
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
《その音量はごく小さかった。にぎやかな音が天井に響く浴場で、口笛を聞き取っている大人はおそらく一人もいないだろうと思われた。ただ小母さんが唇をすぼめているのを見て、口笛を吹いているのかもしれないと推察するに過ぎなかった。小母さんの口笛を聴けるのは、ついこの前生まれたばかりの、まだはかない鼓膜しか持っていない赤ん坊だけだった。》
 静かに紡がれた言葉が胸の内にとけ込み、《共感》という安易な褒め言葉 …続きを見る (2018年02月05日)
 
風神の手
道尾秀介/著
朝日新聞出版
税込価格  1,836円
 
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哀しみの中に、希望が忍ばせられた、優しい物語
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 遺影専門の写真館《鏡影館》。重病を抱え、「準備」のために遺影を撮りに行く母と一緒に鏡影館を訪れた娘は、一人の老人の遺影を見て、様子がおかしくなった母のことが気に掛かり……。《――ずっと昔に、お母さんのせいで、死んじゃった人がいるの。》そこには二十七年前、火振り漁の夜から始まる哀しい事件があった。そんな第一章「心中花」から始まる物語は章によってそれぞれ別の出来事を描きながら、深い根っこの部分で繋が …続きを見る (2018年01月17日)
 
分かったで済むなら、名探偵はいらない
林泰広/著
光文社
税込価格  1,728円
 
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『ロミオとジュリエット』の悲劇は誰のものか?
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 居酒屋「ロミオとジュリエット」に通う刑事の《俺》は、恋人の父親に手錠をかけた過去があった。彼女が《俺》のことをどう思っているのか、分からないし、知りたくもない。その答えから逃げ回るために仕事にのめりこんだ《俺》は、いくつもの他人の答えを見つけ続けている。《そして気がつくと、望んでもいないのに「名探偵」と呼ばれるようになっていた。》
 読んだことが無い人でもなんとなく内容を知っている文学作品って …続きを見る (2018年01月14日)
 
探偵少女アリサの事件簿 〔2〕
今回は泣かずにやってます
東川篤哉/著
幻冬舎
税込価格  1,512円
 
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ギャグとミステリのバランスが絶妙な一品!
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 犯罪の手伝い以外は基本なんでも請け負う便利屋『なんでも屋タチバナ』の看板を掲げる青年、橘良太と世界的な名探偵ケイコ・アヤラギとその夫で日本国内において有名な(奥さんよりも明らかに格下の)探偵、綾羅木孝三郎の二人を親に持ち、ロリータ・ファッションに強いこだわり持つ十歳の探偵少女、綾羅木有紗。本書はそんな二人が事件に巻き込まれ(あるいは首を突っ込み)ながらも、謎を解いていく『探偵少女アリサの事件簿  …続きを見る (2018年01月06日)
 
皇帝と拳銃と
倉知淳/著
東京創元社
税込価格  2,052円
 
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死神のような探偵が犯人を追い詰めていく。傑作倒叙ミステリ集!
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
《そしてもう一人の中年の刑事がまた特徴的で、なかなか不気味な外観をしていた。喪服のような黒の上下に、痩せた枯れ木のような身を包んでいる。全身から漂う陰気で鬱々としたオーラもさることながら、その顔立ちが、何ともいえず気味が悪い。感情と生気が感じられない目をしたその警部の顔は、まるで悪魔の使いみたいに見える。いや、この陰気さは悪魔というより死神――そう、死神だ。西洋の宗教画などで描かれる死神が、ちょう …続きを見る (2017年12月28日)
 
今夜、きみは火星にもどる
角川文庫 こ46−2
小嶋陽太郎/〔著〕
KADOKAWA
税込価格  821円
 
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「私、火星人なの」と言う彼女に、僕は恋をした。
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
《人間の体には科学では解明できない特別な器官があって、それはたぶん胸のいちばん奥のところにある。胸にあるけど、心臓ではない。肺でもない。そういった内臓とは違うものである。形はない。しかし確実にある。》
 経験したことのないはずの青春がまるで過去に味わったことがあるかのように、突然記憶が入れ替わる。優れた青春小説の文章にはそんな力があるのかもしれない。私はいつからか著者の描く世界の住人になっていた …続きを見る (2017年12月22日)
 
この世の春 上
宮部みゆき/著
新潮社
税込価格  1,728円
 
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心ある者の心を震わさずにはいられないような、心の物語
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 その専横ぶりが不評を買っていた御用人頭が失脚し、六代藩主・北見重興が重病篤により隠居するという急な政変に見舞われる北見藩。物語は、宝永七年(一七一〇年)皐月(五月)の夜半、失脚した御用人頭の屋敷で乳母を務めていた女が各務数右衛門の住まいを訪ねてきたのを、娘の多紀が出迎えるところから始まる。上下巻合わせて800ページ近く、普段読み慣れていないジャンルである時代小説の大作にすこしだけ不安を覚えながら …続きを見る (2017年12月15日)
 
彼方の友へ
伊吹有喜/著
実業之日本社
税込価格  1,836円
 
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うつくしい結末に、思わず、涙が……。
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 90歳を超える佐倉ハツのいる老人施設に届けられた黒い紙箱。赤いリボンに結ばれたその箱をほどくと、なかにはチューリップやヒマワリ、スミレなどの花が一輪ずつ色鮮やかに描かれたたくさんの小さなカードが入っていた。《フローラ・ゲーム》。それは波津子(ハツ)にとって、とても懐かしいものだった。波津子の物語は、昭和十二年から始まる。少女雑誌『乙女の友』に憧れた少女はやがて『乙女の友』で働くようになり……。憧 …続きを見る (2017年12月01日)
 
さよならは明日の約束
光文社文庫 に16−5
西澤保彦/著
光文社
税込価格  778円
 
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また会う可能性がある限り、さよならは常に明日の約束である。
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 ※本レビューは高橋留美子の名作『めぞん一刻』の中盤の内容に触れます。ネタバレ、というほどのものではないかもしれませんが、今後『めぞん一刻』を読む予定の『めぞん一刻』フリーク予備軍など、未読の方はご注意ください。

 10代の頃、よく読んでいたコミックに『めぞん一刻』があり、その中にとても心に残っているシーンがあります。教育実習生の五代くんは教育実習の終わりに生徒たちから教育実習の感想を寄せら …続きを見る (2017年11月25日)
 
院長選挙
久坂部羊/著
幻冬舎
税込価格  1,728円
 
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「こんな人、いるわけない!」「本当に?」
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
《医師の世界は特殊である。中でも大学病院は、『白い巨塔』の昔から”伏魔殿”と呼ばれるほど、複雑怪奇な人間関係が渦巻いている。医師たちは表向きは権威を保ち、専門家としてふるまっているが、人間的な側面はあまり世間に知られていない》。そう、だから怖いのだ。本書を読んでいると笑いが漏れると同時に、言い様のない恐怖が込み上げてくる。医療に携わる著者の深い医学知識が、本書を絵空事と割り切れない物語にしている。 …続きを見る (2017年11月22日)
 
双生児
ハヤカワ・ミステリワールド
折原一/著
早川書房
税込価格  1,944円
 
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悪意に満ちた、驚愕の一冊!
明文堂書店石川松任店   (石川県白山市)   おすすめ度:
 姿を消した娘を探して欲しい、という依頼を受け、妊娠していると思わしき女性の行方を追う日の本探偵社の《私》、自分とそっくりな女の存在が切っ掛けになり、自身の出生の秘密に深く踏み込もうとする《中西安奈》、そして《中西安奈》の体験とリンクするかのような出来事が綴られる《羽生さつき》と《足長仮面》の文章によるやり取り。中盤辺りまで、この噛み合うようで噛み合わない感じのする三つのストーリーを中心に物語は進 …続きを見る (2017年11月19日)
 
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