• 本

オックスフォード大教授が問う思考停止社会ニッポン 曖昧化する危機言説

中公新書ラクレ 774

出版社名 中央公論新社
出版年月 2022年10月
ISBNコード 978-4-12-150774-7
4-12-150774-6
税込価格 990円
頁数・縦 274P 18cm

商品内容

要旨

日英を往復する著者は、コロナ禍とウクライナ情勢に対する日本の反応に危機感を覚えた。「鎖国」「自粛」「平和ボケ」といったキーワードで「わかったつもり」に陥っているからだ。従来の日本文化論的思考では、「空気」や「同調圧力」といった言葉で説明・納得し、思考停止してしまう。そのため議論が中途半端に終わり、素朴な二項対立に終始しがちとなる。まずは、私たちの「思考の習性(クセ)」を知ろう。日本の宿年の課題を徹底検証。

目次

第1部 日本とイギリスの境界から(イギリスで過ごしたステイホームの2年間
濃厚接触者のフィールドノート1 帰国そして第1次隔離生活(12月19日〜26日)
濃厚接触者のフィールドノート2 第2次隔離生活(12月26日〜1月3日))
第2部 「内向き」日本とコロナ禍・ウクライナ(「自粛の氾濫」から考える日本
人材の「鎖国」―人的資本劣化のサイクル
(アンビバレンス)とともに生きる道―「平和」の知識社会学)

出版社・メーカーコメント

イギリスと日本を往復する著者は、コロナ禍とウクライナ情勢を受けた日本の対応に危機感を覚えた。「鎖国」「自粛」「平和ボケ」……そういったキーワードで「わかったつもり」に陥っているメディア、専門家、国民に対する危機感だ。それは、両国の境界に位置するからこそ感受しえたものである。従来の日本文化論的思考では、「空気」の読み合いとか「同調圧力」といった言葉で説明・納得し、そこで思考停止してしまう。そのことで、議論が中途半端に終わったり、対立する議論の接点をとことん求めたりしないまま、白か黒かの素朴な二項対立に終始してしまう。まずは、私たちの「思考の習性(クセ)」を知ることから始めなければならない。著者はかつて「ゆとり教育」論争や、最近ではコロナ禍の九月入学論議において、実証的なデータ分析を駆使して一石を投じた。今回は機内濃厚接触者になった当事者としての体験と「言説データ」を携えて、ニッポンの宿年の課題を鋭く検証する。

著者紹介

苅谷 剛彦 (カリヤ タケヒコ)  
1955年東京都生まれ。オックスフォード大学社会学科および同大学ニッサン現代日本研究所教授。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、ノースウェスタン大学大学院博士課程修了。Ph.D.(社会学)。放送教育開発センター助教授、東京大学大学院教育学研究科教授を経て2008年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)