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〈怪異〉とミステリ 近代日本文学は何を「謎」としてきたか

出版社名 青弓社
出版年月 2022年12月
ISBNコード 978-4-7872-9269-8
4-7872-9269-2
税込価格 3,740円
頁数・縦 325P 19cm

商品内容

要旨

岡本綺堂、江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作、小野不由美、綾辻行人、京極夏彦などの作品に潜む怪異を精緻に読み解く。そして、ミステリというジャンルで展開される怪異の拡散と凝集、合理と非合理の衝突から、日本のミステリ小説の潮流を捉え返し、近現代日本の文化表象の変容をも明らかにする。

目次

特別寄稿 怪異とミステリ―その面白さの類似と相違について
第1部 「怪異」と「ミステリ」の遭遇(歌舞伎と探偵小説―『東海道四谷怪談』とその変容
怪異と謎解き、そして郷愁―岡本綺堂の探偵小説作法
イギリス怪奇幻想ミステリと近代日本文学―A・ブラックウッドと芥川龍之介を中心に ほか)
第2部 「怪異」と「ミステリ」の交差(「怪談」以上「探偵小説」未満の世界―江戸川乱歩の「幻想怪奇の小説」について
脳内に現象する怪異―海野十三・夢野久作・蘭郁二郎
“侵食”する“死者”たち―久生十蘭「死亡通知」における空襲と“怪異” ほか)
第3部 「怪異」と「ミステリ」の融合(家霊を脱構築する女―小野不由美『残穢』の“転居”と戸川昌子「大いなる幻影」の“賃貸”
館という幻想―綾辻行人『暗黒館の殺人』における自己の揺らぎ
妖怪の「理」/ミステリの「檻」京極夏彦「百鬼夜行」シリーズは何を「祓った」のか ほか)

出版社・メーカーコメント

近年、ミステリジャンルでの「怪異」の増殖が目立つ。探偵小説や推理小説など、人智による「謎」の「合理的解明」を主眼としたフィクション・ジャンルであるミステリは、人智が及ばない「非合理」な存在である怪異・怪談・怪奇幻想・ホラーとどのように切り結んできたのか。岡本綺堂、江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作、海野十三、久生十蘭、戸川昌子、小野不由美、綾辻行人、京極夏彦などのミステリの代表的な作家の作品はもちろん、四代目鶴屋南北や芥川龍之介、「故人サイト」やゲーム「逆転裁判」シリーズなどのテクストに潜む怪異を丁寧に分析する。ミステリというジャンルで展開される「怪異」の 拡散と凝集、合理と非合理の衝突から、日本のミステリ小説の潮流を捉え返し、近現代日本の文化表象の変容をも明らかにする。

著者紹介

乾 英治郎 (イヌイ エイジロウ)  
流通経済大学流通情報学部准教授。専攻は日本近現代文学・文化
小松 史生子 (コマツ ショウコ)  
金城学院大学文学部教授。専攻は日本近現代文学・文化、比較文学・文化
鈴木 優作 (スズキ ユウサク)  
鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センター特任助教。専攻は日本近現代文学
谷口 基 (タニグチ モトイ)  
茨城大学人文社会科学部教授。専攻は日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)