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グローバルな物語の時代と歴史表象 『PACHINKOパチンコ』が紡ぐ植民地主義の記憶

出版社名 青弓社
出版年月 2024年2月
ISBNコード 978-4-7872-3532-9
4-7872-3532-X
税込価格 3,080円
頁数・縦 239P 21cm

商品内容

要旨

ミン・ジン・リーの小説とそれを原作にしたドラマ『PACHINKOパチンコ』を読み解き、その歴史表象や在日表象から、日韓の歴史認識問題、歴史修正主義の台頭、グローバルなメディア市場で歴史が物語として流通するポリティクスを多角的に検証する。

目次

グローバルな物語としての『パチンコ』―小説からドラマへ
第1部 国際シンポジウムの記録(基調講演『パチンコ』と在日コリアンの「社会資本」―歴史とフィクションのはざま
座談会ドラマ『パチンコ』から考えるグローバル・メディア時代の記憶と忘却)
第2部 『パチンコ』を読み解く(ドラマ『パチンコ』の「在日」表象を可能にしたもの
植民地時代を描くことの難しさ―創作者の立場から
ドラマ『パチンコ』が映し出す世界と「Zainichi」の生―猪飼野の路地からみえる「世界」 ほか)
第3部 『パチンコ』と歴史表象のポリティクス(世界は『パチンコ』をどう観たか―三言語・アジア・移民の物語
なぜ日本では『パチンコ』がはやらなかったのか
『パチンコ』とOTTナラティブのリアリティー―受容者資源論との接点 ほか)

出版社・メーカーコメント

在米コリアンのミン・ジン・リーの小説『パチンコ』とそれを原作にした「Apple TV+」のオリジナルドラマシリーズ『PACHINKO パチンコ』は、海外で大きな反響を巻き起こし、ドラマは第2シーズンが2024年に公開を予定している。本書は、『パチンコ』が描く1910年代から80年代までの在日コリアン家族の波乱に満ちた人生を読み解くことで、戦前から戦後までの日本の風景、在日コリアンの苦難や差別、物語に通底する植民地主義の暴力性や記憶を掘り起こす。また、『パチンコ』の歴史表象や在日表象から、日韓の歴史認識問題、歴史修正主義の台頭、グローバルなメディア市場で歴史が物語として流通するポリティクスを検証する。表象にとどまらず、生産・消費・規制・アイデンティティという5つの文化の回路からドラマ『パチンコ』を精緻に分析して、東アジアでの歴史対話とコミュニケーションの新たな可能性を指し示す。

著者紹介

玄 武岩 (ヒョン ムアン)  
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。専門はメディア文化論、日韓関係論
金 敬黙 (キム ギョンムク)  
早稲田大学文学学術院教授。専門は東アジア市民社会論、平和研究、NGO論
李 美淑 (イ ミスク)  
大妻女子大学文学部准教授。専門はメディア研究、ジャーナリズム研究
松井 理恵 (マツイ リエ)  
跡見学園女子大学観光コミュニティ学部准教授。専門は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)