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帝国 ロシア・辺境への旅

新版

出版社名 みすず書房
出版年月 2024年1月
ISBNコード 978-4-622-09671-9
4-622-09671-4
税込価格 4,730円
頁数・縦 414P 20cm
シリーズ名 帝国

商品内容

要旨

「モスクワに着いたとたんに、ぼくは討論、論争、口論、流言の渦のなかへと落ち込む。どこへ出ても、会合、集会、会議、シンポジウムがある。プーシュキンの銅像の周りでは、まいにち早朝から夜半まで、だれやかやが立って、競って大声を挙げ、いがみ合い、また、チラシの厚い束を鼻先に突き出す。討論、雄弁、論争、おしゃべり、説教を得意とする者にとって、また言葉の剣士、真実の追求者にとって、天国の時代は今である。かかる大道討論クラブは、この国において数十、数百を数える」(「“魔の山”クレムリン」より)「マガダン行きの飛行機が飛ぶまで、ヤクーツク飛行場で四日間の待ちぼうけ。雪嵐の吹き荒れるコルィマー向けは全便運休。シベリアの旅はいつもこうである。“…”コルィマーの吹雪はおいそれと止まない。だが、吹雪が収まれば、飛行機はすぐさま飛ぶ。しがみついても乗らねばならない。万が一、乗り損ねて逃げられたら、死も同然。だから、腰をおろして待つ」(「コルィマーは霧また霧」より)サルマン・ラシュディ、マーガレット・アトウッド、ジョン・アップダイク、ガブリエル・ガルシア=マルケスらが絶賛した「文学的ルポルタージュ」の旗手カプシチンスキ。その代表作。

目次

1 最初の出遇い 一九三九〜六七(ピンスク、一九三九年
シベリア横断鉄道、一九五八年
南の国々、一九六七年)
2 鳥瞰図から 一九八九〜九一(第三のローマ
寺院と宮殿
ぼくらは見つめ、涙を流す ほか)
3 続きは進行中 一九九二〜九三

著者紹介

カプシチンスキ,リシャルド (カプシチンスキ,リシャルド)   Kapu´sci´nski,Ryszard
1932‐2007。旧ポーランド領ピンスク生まれ。1939年、ソ連による占領後、両親とともにワルシャワに向かい、第二次世界大戦後、市内に居住する。ワルシャワ大学を卒業。日刊紙『青年の旗』、週刊誌『ポリティカ』、国営ポーランド通信社の記者、特派員として、アジア、アフリカ、中南米ほかを取材し、その記事は、『サッカー戦争』(中央公論社)、『皇帝ハイレ・セラシエ』(筑摩書房)、『黒檀』(河出書房新社)に結実する
工藤 幸雄 (クドウ ユキオ)  
1925年大連生まれ。東京大学文学部仏文科卒。共同通信社外信部記者、ワルシャワ大学日本学科講師を経て、多摩美術大学教授。2008年歿
関口 時正 (セキグチ トキマサ)  
1951年東京生まれ。東京外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)