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買えない味

出版社名 筑摩書房
出版年月 2006年5月
ISBNコード 978-4-480-81646-7
4-480-81646-1
税込価格 1,870円
頁数・縦 197P 21cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 人気フードジャーナリスト、エッセイスト平松洋子さんの新刊が届きました。ちょうど当店が開店した頃に発売された「平松洋子の台所」(ブックマン社)は、有山達也さんの美しい装丁が印象的で、ずいぶん売れた記憶があります。今にして思えば、このへんから「クーネル」、「リンカラン」などのブームにつながっていったんだなと納得できます。その有山さんと再び組んだ今回の新刊のタイトルは「買えない味」。食卓にのぼる器たちを使う楽しさ、派手ではないけれどお金で買えない味への思い入れ、台所道具たちの見事な働きっぷり。そして、「機嫌のよい一日」のことが少しだけ綴られていて、著者が身の回りのすべてを愛し、楽しんでいる姿がうかがえます。食の雑誌「dancyu」に連載されていたエッセイをまとめたものですが、読んだ後には、日常のなにげないことに小さな感動を見出せるようになる気がする一冊です。

    (2014年3月31日)

商品内容

文学賞情報

2006年 第16回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞

要旨

晩秋の柿。冷やごはん。土瓶の番茶。日常のなかに、おいしさはある。

目次

朝のお膳立て(箸置き―「戻る場所」をつくる
白いうつわ―磁器か、陶器か ほか)
買えない味(指―かぶりつく直前の味
レモン―ひとたらしの衝撃 ほか)
キレる力を!(注ぎ口―ぴしゃり、キレる力を
調理スプーン―もうひとつの掌 ほか)
機嫌のよい一日(買い物かご―無駄を省こう
木の弁当箱―柔軟な“うつわ”として ほか)

出版社
商品紹介

たっぷり熟した晩秋の晒柿。おかずの汁の染みたごはん。土瓶でざぶざぶ淹れる番茶。暮しの中のおいしさをつづった、エッセイ50編。

おすすめコメント

晩秋の柿。冷やごはん。土瓶の番茶、日常のなかに、おいしさはある。果てようとしているその瞬間にもおいしさというものは、ある。最後の最後、深くくぐもる臭いもまた、おしまいだからこそ開く味わいだ。旬がいいのはあたりまえ。勝負は旬が過ぎてから。ただし、熟れるか、腐るか。明日はどっちだ。

著者紹介

平松 洋子 (ヒラマツ ヨウコ)  
東京女子大学文理学部社会学科卒業。フードジャーナリスト、エッセイスト。食文化と暮らしの関わりをテーマに執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)