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異族

講談社文芸文庫 なA9

出版社名 講談社
出版年月 2024年6月
ISBNコード 978-4-06-535808-5
4-06-535808-6
税込価格 3,850円
頁数・縦 950P 16cm

商品内容

要旨

空手道場で出会った胸に同じ形の青アザがある強靭な三人の異族たち、路地に生まれたタツヤ、在日韓国人二世のシム、アイヌモシリのウタリ。アザに旧満州の地図を重ね見た右翼の大物フィクサー槇野原は三勇士による満州国再建を唱える。共同体と風土に潜むうめきを路地の神話に書き続けた中上が新しい跳躍を目指しながらも未完に終わった遺作にして最大の長篇小説。

出版社・メーカーコメント

空手道場に集まった胸に同じ形の青あざがある頑強な三人の男たち、路地に生まれたタツヤ、在日韓国人二世のシム、アイヌモシリのウタリ。そのアザの形に旧満州の地図を重ね見た右翼の大物フィクサー槙野原は三勇士による満州国の再建を説く。日本の共同体のなかにひそむうめき声を路地の神話に書きつづけた中上健次が新しい跳躍を目指しながらも、「群像」連載中急逝し、未完に終わった傑作大長篇小説。死してなお生き、未完ゆえに無限増殖する壮大なる中上サーガ。

著者紹介

中上 健次 (ナカガミ ケンジ)  
1946・8・2~1992・8・12。和歌山県生まれ。新宮高校卒。熊野を舞台にある血族と路地と呼ばれる共同体を中心に据えた「紀州サーガ」とも呼ばれる土着的な独自の作品を数多く発表した。1976年『岬』で第74回芥川賞を受賞、戦後生まれ初の芥川賞作家となる。77年『枯木灘』で毎日出版文化賞、芸術選奨文部大臣賞新人賞を受賞。90年からは熊野大学を開講。ガンのため故郷新宮に戻り逝去。享年46(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)