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散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道

新潮文庫 か−50−1

出版社名 新潮社
出版年月 2008年8月
ISBNコード 978-4-10-135281-7
4-10-135281-X
税込価格 737円
頁数・縦 302P 図版16P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 硫黄島、太平洋戦争の終章が迫りつつある時期、浮沈空母としてアメリカが最重要戦略拠点といちづけ、ここを占拠すれば、東京の空襲が容易になる。事実アメリカの手に落ちたあとが、東京空襲をへて敗戦へ一直線へと坂道をころげ落ちた。 硫黄島、死守を命に受け、帰任した栗田中将は、アメリカ留学した合理的な戦略を練る異端の人であった。サイパンをはじめ、太平洋の島々で繰り広げられたアメリカとの戦闘は、「水際作戦」は悉く失敗し、短期に敵方に落ちていった。栗田中将は敵を島にに上陸させる陸地戦を決断する。地熱と硫酸ガスに悩まされながら島中に塹壕が構築されてゆく。そしてアメリカ人の中でも有名な事実として、死傷者がアメリカのほうが多かった。栗田中将の名がアメリカで殊に高いのは、その合理的思考とリーダーシップにより、多くの成果を上げたことによると思う。

    (2008年9月19日)

商品内容

要旨

水涸れ弾尽き、地獄と化した本土防衛の最前線・硫黄島。司令官栗林忠道は5日で落ちるという米軍の予想を大幅に覆し、36日間持ちこたえた。双方2万人以上の死傷者を出した凄惨な戦場だった。玉砕を禁じ、自らも名誉の自決を選ばず、部下達と敵陣に突撃して果てた彼の姿を、妻や子に宛てて書いた切々たる41通の手紙を通して描く感涙の記録。大宅壮一ノンフィクション賞受賞。

目次

第1章 出征
第2章 二二キロ平米の荒野
第3章 作戦
第4章 覚悟
第5章 家族
第6章 米軍上陸
第7章 骨踏む島
第8章 兵士たちの手紙
第9章 戦闘
第10章 最期

著者紹介

梯 久美子 (カケハシ クミコ)  
1961(昭和36)年熊本県生れ。北海道大学文学部卒業。編集者を経て文筆業に。初の単行本である『散るぞ悲しき』は、2006(平成18)年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞、米・英・韓・伊など世界7カ国で翻訳出版されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)