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あらゆる文士は娼婦である 19世紀フランスの出版人と作家たち

出版社名 白水社
出版年月 2016年10月
ISBNコード 978-4-560-09515-7
4-560-09515-9
税込価格 2,640円
頁数・縦 280P 20cm

商品内容

要旨

名作誕生の裏に編集者・出版者・書店あり。権謀術策、手練手管、偶然と必然…小説家や詩人とわたりあった出版人たちの野心と手腕。

目次

プロローグ
第1章 エッツェル書店とラクロワ・ヴェルブックホーヴェン書店―ユゴー、フロベール、ボードレール(『レ・ミゼラブル』争奪戦
国際書店をめぐる作家たち)
第2章 マルポン・フラマリオン書店とシャルパンティエ書店―ゾラ(エミール・ゾラの修業時代
国際書店の遺産相続人たち―エルネスト・フラマリオンとジョルジュ・シャルパンティエ)
第3章 ルメール書店―「パルナシアン」たち
第4章 ヴァニエ書店―ヴェルレーヌ
エピローグ―十九世紀から二十世紀へ

おすすめコメント

名作誕生の裏に編集者・出版者・書店あり 19世紀フランスには多くの優れた小説・詩が生まれ、200年近く経った現在でも世界中で読み継がれている。これらの作品が世に出るためには、当然ながら、企画を立て、原稿を受け取り、編集・印刷して書店に並べる編集者・出版者がいた。作品の受容を通じた作家同士の影響関係や、文学潮流の形成も、彼らの存在なしにはありえなかったであろう。それにもかかわらず、今日、文学史が語られる際に、こうした出版人の存在はせいぜい時代背景として説明される程度である。本書は、書簡や史料から史実を丁寧に拾い上げ、これまで脇役とされてきた当時の出版人たちに光をあてる。登場するのは、エッツェル、ラクロワ、シャルパンティエ、フラマリオン、ルメール、ヴァニエなど。対する作家・詩人は、ユゴー、フロベール、ヴェルヌ、ゾラ、ボードレール、マラルメ、ヴェルレーヌ……。書名はガリマール社の創設者ガストン・ガリマールの「著者というのは、すきあらばいつでも他の男に身をまかせる娼婦のようなもの」という言葉から。権謀術策、手練手管、偶然と必然、さまざまな要素がからみあって「名作」や「大作家」が生まれる過程をたっぷりと堪能できる1冊。

著者紹介

石橋 正孝 (イシバシ マサタカ)  
東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学、パリ第八大学で博士号(文学)取得。日本学術振興会特別研究員を経て、立教大学観光学部交流文化学科助教。専門はジュール・ヴェルヌ
倉方 健作 (クラカタ ケンサク)  
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程退学後、同研究科で博士号(文学)取得。日本学術振興会特別研究員を経て、九州大学言語文化研究院助教。専門はヴェルレーヌを中心とする近代詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)