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競争なきアメリカ 自由市場を再起動する経済学

出版社名 みすず書房
出版年月 2025年3月
ISBNコード 978-4-622-09754-9
4-622-09754-0
税込価格 4,950円
頁数・縦 381,17P 20cm

商品内容

要旨

アメリカでのブロードバンド平均月額料金は66.17ドル。対してドイツでは35.71ドル、フランスでは38.10ドル支払えば、同等のサービスが利用できる(2017年)。熾烈な価格競争が行なわれるはずの自由市場の国アメリカでは、ヨーロッパの人々の2倍近くを払わないとインターネットを利用できない。本書によると、これは通信業界だけの問題ではない。競争が減少し、一握りの企業への集中が高まったことで、様々な物・サービスの市場で価格が上昇しているという。その背景には企業の政治家へのロビー活動や選挙資金提供で歪められた政策があると著者は喝破する。カネと政治の結合が歪めたのは価格だけではない。投資、生産性、経済成長、賃金が低調になり、格差が拡大した。Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftといった21世紀のテック系スターは、GE、GMといった過去のスター企業を上回るほど経済に貢献してはいない。ニューヨーク大学スターン経営大学院でマクロ経済とファイナンスを専攻する経済学者が、データを徹底的に活用して説く。

目次

序論
1 アメリカにおける市場支配力の高まり(経済学者はなぜ競争が好きなのか…なぜあなたもそうあるべきなのか
悪い集中、良い集中
市場支配力の増加
投資と生産性の低下
自由参入の失敗)
2 ヨーロッパの状況(一方、ヨーロッパではどうか
アメリカの物価は高すぎるのか
ヨーロッパ市場はどのように自由化したのか)
3 政治経済学(ロビー活動
カネと政治)
4 いくつかの産業を掘り下げる(バンカーの報酬はなぜ高いのか
アメリカの医療―自ら招いた禍
星を見上げて―トップ企業は本当に違うのか
規制すべきか否か、それが問題だ
買い手独占力と格差)
結論

著者紹介

フィリポン,トマ (フィリポン,トマ)   Philippon,Thomas
ニューヨーク大学スターン経営大学院教授。仏エコール・ポリテクニークを経て、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号取得(経済学、2003)。コーポレートファイナンス、ビジネスサイクル、失業など、マクロ経済やファイナンスについて広範に研究している。トマ・ピケティ、エステル・デュフロらと共に、IMF「45歳以下のトップ経済学者25人」に選出(2014)
川添 節子 (カワゾエ セツコ)  
翻訳家。慶應義塾大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)