
生きかた名人 たのしい読書術
出版社名 | 綜合社 |
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出版年月 | 2004年3月 |
ISBNコード |
978-4-7777-1001-0
(4-7777-1001-7) |
税込価格 | 1,870円 |
頁数・縦 | 222P 20cm |
商品内容
出版社 商品紹介 |
借金(内田百間)、飲み助(吉田健一)、病気(堀辰雄)、貧乏(林芙美子)…いかにしてつらさ悲しさを楽しさに転じたのか。その能力と方法を生きかた名人にたどる。 |
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出版社・メーカーコメント
借金(内田百閨j飲み助(吉田健一)病気(堀辰雄)貧乏(林芙美子)妬み(芥川龍之介)…いかにしてつらさ悲しさをたのしさに転じたのか? その能力と方法を生きかた名人20人にたどる池内紀の名人技!
内容抜粋
本書「あとがき」より
以前から書いてみたいと思っていた。愛読してきた作家たちである。なかには暗記するほど読みふけった人もいる。それでも、ときおり読み返したくなる。そんな衝動を覚える。作品が好きといったこと以上の理由があるからではあるまいか。何かが共通している。自分のなかにあって、当の自分もふだんは気づいていない何か。飲み助、気まぐれ、退屈、貧乏、借用、反復、腹話術・・・・・・<中略>ふつうなら負の特性である。世間の尺度ではマイナスの要素であるものを、いかにしてプラスに転じたのか。その能力と方法は、たどってみる価値がある。なるほど自分の特性なり悪癖に追われ、逃げまどい、七転八倒した。悲劇である。それがしばしば喜劇になった。当人が笑いに転じて栄養にしたふしがある。その多少ともおかしな栄光と悲惨をつづり、わが偏愛する作家たちへのラブレターとしよう−−−。借金からはじめたのは、やはり身近に実例があったからだ。ふとしたことで、ほんのちょっぴり借りただけが、みるまにふくれ上がり、一年たらずで旧家の遺産をそっくりなくしてしまった。借金というものは、返そうとすればするほどふえていくということを教えられた。尾羽打ち枯らした姿を見るにつけ、ひそかにわが身への自戒としてきた。一つの定まった方向をとった読書法である。おかげで雑学や小言やかたりや子沢山に、ちゃんとした席が用意できた。