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地域主権という希望 欧州から杉並へ、恐れぬ自治体の挑戦

出版社名 大月書店
出版年月 2023年1月
ISBNコード 978-4-272-21128-9
4-272-21128-5
税込価格 1,760円
頁数・縦 235P 19cm

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要旨

欧州や中南米を中心に、地域住民が主体となって公共財や税の使い方を決める「ミュニシパリズム(地域主権主義)」と呼ばれる潮流が巻き起こっている。そんな渦中の欧州で長年NGOに勤務した47歳の女性が、2022年6月の東京都杉並区長選に立候補。3期務めた現職候補を破って勝利した。岸本聡子氏である。本書では、岸本区長自らが、区長選立候補までの経緯や選挙運動の様子、今後の区政について語った上で、杉並区が目指すミュニシパリズムの自治体について、近年の欧州・中南米の動きを詳細にリポートしている。ミュニシパリズムの主軸には、電気・水道などの公共インフラ、住宅などを、巨大企業から住民による公共的な意思決定のもとに「民から公へ」取り戻す「再公営化」があり、岸本区長は欧州のNGOで、再公営化の事例研究、そしてミュニシパリズム自治体を相互につなぐプロジェクトなどを担当していた。著者の岸本氏は1974年東京都生まれ。環境NGO「A SEED JAPAN」を経て欧州に移住、アムステルダムを本拠地とする政策シンクタンクNGO「トランスナショナル研究所(TNI)」に所属する。2022年6月、杉並区長選挙に立候補し勝利、杉並区初の女性区長となる。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年3月8日]

商品内容

要旨

地べたから、私たちの民主主義を始めよう。異色の経歴と先進的な政策で注目の杉並区長が、奪われ続けてきた“公共”の回復のために、ヨーロッパで広がる“地域主権主義”の息吹を伝える。

目次

序章 杉並区は「恐れぬ自治体」をめざす(なぜ区長選挙に出馬したのか
“対話”を基調とした手づくりの選挙運動 ほか)
第1章 ミュニシパリズムとは何か(世界各地で急成長するミュニシパリズム
ミュニシパリズムとEU―資本の論理と公共のせめぎあい ほか)
第2章 新型コロナパンデミックと「公共」の役割(コロナ騒動のなか、あえて難民危機と国家について考える
コロナ危機下で人々の暮らしをどう守るのか ほか)
第3章 気候危機に自治体として立ち向かう(自治体からの異議申し立て―地域主権のグリーン・リカバリーへ
住民の権利と脱炭素社会へ、行動する自治体 ほか)
第4章 「もうひとつの世界」はもう始まっている(フランス地方選挙で起きた「躍進」―市民型選挙の戦い方を学ぶ
保守政治を打ち破り、分断を越えるための草の根の拠点 ほか)

出版社・メーカーコメント

[推薦]岡野八代さん(同志社大学教授、『フェミニズムの政治学』著者)和田靜香さん(ライター、『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』著者) 政治経験ゼロから杉並区長となった著者が、世界各地で起きている自治体からの変革=ミュニシパリズムの実例を紹介。新自由主義による地域経済と政治の劣化に歯止めをかけ、足元から公共と民主主義を再生する希望の指針を描く。 [目次] 序章 杉並区は「恐れぬ自治体」をめざす 第1章 ミュニシパリズムとは何か 第2章 新型コロナパンデミックと「公共」の役割 第3章 気候危機に自治体として立ち向かう 第4章 「もうひとつの世界」はもう始まっている おわりに

著者紹介

岸本 聡子 (キシモト サトコ)  
1974年東京都生まれ。環境NGOを経て欧州に移住、アムステルダムを本拠地とする政策シンクタンクNGO「トランスナショナル研究所(TNI)」に所属。新自由主義や市場原理主義に対抗する公共政策、水道政策のリサーチおよび世界の市民運動と自治体をつなぐコーディネイトに取り組む。2022年6月、杉並区長選挙に立候補し187票差で現職に勝利、杉並区初の女性区長となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)