
真鶴
出版社名 | 文藝春秋 |
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出版年月 | 2006年10月 |
ISBNコード |
978-4-16-324860-8
(4-16-324860-9) |
税込価格 | 1,572円 |
頁数・縦 | 266P 19cm |
書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
真鶴(まなづる)、静岡県との県境に位置する神奈川県の小さな町を舞台にして描かれた本書は、05年2月〜06年5月にかけて「文學界」に連載されていたものをまとめたものである。熱心な川上ファンの読者ならば、今回の作品は今までと少し違うぞ、と感づかれるに違いない。主人公の京は、影のようにまとわりつく実体のない存在「見えないなにか」に、とまどい振り回され、時には協調しながら何度も真鶴の地を訪れる。そこで様々な幻映を見続けるうちに、次第に京の精神は現実世界よりも、幻想の世界へと傾いてゆく。「見えない存在」をテーマに、より哲学的に進化した著者の新しい世界への挑戦の一冊である。(のり)
(2006年12月17日)
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商品内容
文学賞情報 |
2006年
第57回
芸術選奨・文部科学大臣賞(文学関係)受賞 |
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出版社 商品紹介 |
失踪した夫の日記には、ただ一言「真鶴」と記されていた。不在の夫を思いつつ、恋人と付き合う京。「存在とは何か」を問う傑作長編。 |
おすすめコメント
失踪した夫の日記にただ一言記されていた「真鶴」の文字。それにひかれるように、京(けい)は真鶴に足を運ぶ。十年以上も行方不明の夫を思いながらも京は恋人と付き合い一人娘を育てている。娘の成長に戸惑い、恋人との関係に悩む一方で「いない者」を強く感じ続ける京の心の揺れ動きは「存在とは何か」という問いを呼ぶ。 作者、渾身の大作。