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センセイの鞄

文春文庫

出版社名 文藝春秋
出版年月 2004年9月
ISBNコード 978-4-16-763103-1
4-16-763103-2
税込価格 682円
頁数・縦 278P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  •  この作品は、酒を飲む場面がよくでてくる。あるときは行き着けの居酒屋だったり、キノコ狩りでの野外だったり、花見の席だったり、あるいは島お民宿だったりするが、それらにに共通して言えるのは、ゆったりとした時の流れが自然体で飾らない登場人物たちによりつくられているということである。私もその一人だが、こういった酒の飲み方に憧れを抱く人も多いのではないだろうか。行間を広めにとった本の構成もそれを意識したものではないかと思われ、本作品の味わいをいっそう引き立てている。もっとこの小説の余韻にひたりたい読者は、著者のエッセイ本「ゆっくりさよならをとなえる」もあわせて読んでみられるとよいだろう。(のり)

    (2005年9月2日)

商品内容

要旨

駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。

著者紹介

川上 弘美 (カワカミ ヒロミ)  
1958(昭和33)年、東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。94年、「神様」で第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。96年、「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞。99年、『神様』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年、『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞を受賞。2001年、『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)