西暦一〇〇〇年グローバリゼーションの誕生
出版社名 | 文藝春秋 |
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出版年月 | 2021年5月 |
ISBNコード |
978-4-16-391370-4
(4-16-391370-X) |
税込価格 | 2,420円 |
頁数・縦 | 389P 20cm |
商品内容
要旨 |
西暦一〇〇〇年。西欧社会は暗黒時代からの復興の途上にあり、大航海時代はいまだ遠い。しかし本書はこの年こそが「グローバリゼーションのはじまり」であることを描き出す。すでに中国からインド、アラビア半島、アフリカは海上交易でつながり、バイキングが北米に到達したことで「世界一周交易路」が開通した。史上初めて、異国のもの、技術、情報、宗教が遠く離れた国に到達し、人々の生活に影響を及ぼすグローバリゼーションが起こったのだ。中国、アラブ、アメリカ、ヨーロッパが経済力を競い合う世界は、大航海時代よりもむしろ現代に似ている。そこには西欧中心史観では知り得なかった「未来」が出現していた―。 |
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目次 |
第1章 西暦一〇〇〇年の世界 |
出版社・メーカーコメント
西暦1000年。西ヨーロッパはいまだ暗黒時代からの復興の途上にあり、大航海時代は遠い先のことだ。しかし本書はその西暦1000年こそが「グローバリゼーションが誕生した年」である、と西欧中心の史観を離れて描き出す。中国からインド、アラビア半島、さらにアフリカまでの海上交易ルートはこの頃初めて結合した。さらにカナダに到達したバイキングが、南北アメリカで発達していた交易路を、その海上ルートと結びつけた。史上初めて、異国のもの、技術、情報、宗教が遠く離れた国に到達し、一般の人々まで影響を及ぼす「グローバリゼーション」が始まったのだ。イェール大学歴史学教授である著者はは西暦1000年の各地の交易品を手がかりに、世界中で同時進行していた変化を生き生きと再現する。世界的な交易は農業生産性を高める反面で感染症を広め、知識を広める反面で固有の文化を分断し、新技術を伝える反面で伝統工芸を消滅させた。宗教を変え、他国向け製品をつくり、反グローバリゼーション運動を起こす人々の姿は、驚くほど21世紀と似ている面がある。西暦1000年、カナダに到達したバイキング。丸木舟で南北アメリカを往来するマヤ人。4つの世界宗教から改宗を勧誘されたウクライナの大公。すでに奴隷貿易が活況を呈していたアフリカ。そしてグローバリゼーション最先端の地としてハイテク製品である陶磁器を輸出し、世界中から富を蓄積していた中国――平安時代の日本もその経済圏に組み込まれていた。西暦1000年から、ヨーロッパの支配という世界史の新たな局面が始まる1500年までの500年間、「最初のグローバリゼーション」が世界を大きく変えていた。バラバラに知っていた世界史の知識が新たなフレームで再定義され、読者に知的興奮を呼び起こす。現代グローバリゼーションの世界を生きる者への教訓に満ちた胸躍る歴史書。