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紫式部の実像 稀代の文才を育てた王朝サロンを明かす

朝日選書 1041

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2024年2月
ISBNコード 978-4-02-263131-2
4-02-263131-7
税込価格 1,980円
頁数・縦 350P 19cm

商品内容

要旨

紫式部はなぜ彰子中宮の女房となったのか。そのいきさつはおろか、実名、生年もよくわかっていない。だが、複数の文献から彰子の父、藤原道長は、紫式部を一介の女房ではなく、具平親王の後ろ盾がある女性として遇していたことがみえてくる。具平親王は和歌、漢詩、香道、音楽、医学、仏道にも通じる博学の士として世に尊崇されていた。貴族の日記や歌集からは、父が出入りしていた親王の文学サロンに紫式部も通い、漢籍、文学や有職故実、多様な知識を吸収したことがうかがえる。やがて紫式部は物語創作に目覚め、具平親王に後押しされて宮仕えし、晩年に関わりのあった藤原実資の記録からその没年は寛仁4年(1020)、51歳であったと考えられる。貴顕の人物関係を解きほぐし、権勢家、王朝文化の担い手と複雑なつながりがあった紫式部のリアルな姿を描き出す。

目次

1章 セレブ二人の間を取りもつ
2章 具平親王文化サロンと父たち
3章 父為時の官僚生活の悲運
4章 紫式部の少女時代
5章 為時の越前守赴任
6章 為時の任務と宣孝との結婚
7章 女房の生活
8章 紫式部の宮仕え
9章 紫式部の宮中生活
10章 中宮彰子御産による敦成親王誕生
11章 献上本『源氏物語』
12章 その後の紫式部

出版社・メーカーコメント

紫式部の生涯には不明な点が多い。なぜ漢籍、和歌や物語文学、有職故実に詳しかったのか。なぜその才能が世に知られたのか。少女時代の環境から有力者とのやり取り、没年まで、資料からその姿を浮き彫りにし、新たな紫式部像を描きだす。

著者紹介

伊井 春樹 (イイ ハルキ)  
1941年愛媛県生まれ。大阪大学名誉教授。広島大学大学院博士課程修了。文学博士。大阪大学大学院教授、国文学研究資料館長、阪急文化財団理事・逸翁美術館長を経て、現在は愛媛県歴史文化博物館名誉館長などをつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)