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平山書店のレビュー

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掲載レビュー全609件
 
すきっ腹ウォーキング
ベースボール・マガジン社新書 002
片岡幸雄/著
ベースボール・マガジン社
税込価格  825円
 
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朝食を抜いて活発に活動し、夕飯はたっぷり食べてゆっくり休む。この行動様式は、「運動と食事の順序」に大きな関係があるという。食事後は消化のため内臓に血液が回ってゆく。食後ゆっくり休めとはこのことであるし、運動の前には食事を摂るなということでもある。朝食を抜くとエネルギーが不足するのではないだろうか?と読書子は思った。しかし、前夜、夕飯をしっかり食べてさえいれば、翌朝はそれがエネルギーとなって体に蓄えられた状態にあるというのだ。小欄で「少食」健康法についての本を紹介したことがあったが、読書子の実践結果によれば、一日二食でもじゅうぶん普通に生活できるものだ。とにかく、一日三食という刷り込みから離れるだけでも、ずいぶんとフレキシブルな生活が送れそうな気がするのである。 (のり) (2008年03月17日)
とてつもない日本
新潮新書 217
麻生太郎/著
新潮社
税込価格  748円
 
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目の前のことに一喜一憂して落ち込んだりくさったりせずに、一緒に「元気な日本」を作っていこうというのが本書のテーマ。著者は現代の日本を肯定的にとらえ、国民に希望を与える言葉を述べている。ともに手を携え、国をつくってゆこうとするリーダーは、まさにこうあるべきだと思う。政治家とは国民とともに汗をかき、夢と希望を与えなければならないのである。その意味で本書で日本の潜在力を鋭く指摘した著者の眼には、日本の将来ビジョンがくっきりと投影されているといえる。自分の国に誇りをもつこと、国づくりはこのことからはじめようではないか。(のり) (2008年03月17日)
秋の四重奏
lettres
バーバラ・ピム/〔著〕 小野寺健/訳
みすず書房
税込価格  3,080円
 
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舞台はロンドン、定年を間近に控えた独身の男女四人を描いた長編作品である。この四人、同じオフィスで働きながらも、友人とまではいえないほどの距離をおいた関係を保ちつつ、平凡な日常の風景が綴られる。この小説に描かれる職場の同僚という関係に最もリアリティを感じるのは、とりもなおさず現代の日本社会なのかもしれない。なぜなら、俯瞰してみればただの単調な小説にすぎない作品が、これほど日本の読者の心を捉えることに、読書子自身納得し、また、この小説の価値に思い至ったのであるから。(のり) (2008年03月17日)
東大教養囲碁講座 ゼロからわかりやすく
光文社新書 309
石倉昇/著 梅沢由香里/著 黒滝正憲/著 兵頭俊夫/著
光文社
税込価格  935円
 
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石倉昇、梅沢由香里、黒滝正憲。現在囲碁のプロ棋士のうち、初心者に対する指導技術レベルで最高峰に位置するこの三人が、東大教授兵頭氏の教育メソッドと手を組んで仕上げたのがこの1冊。小学生までは実戦を繰り返し、試行錯誤しながら身に付けるのがよいとされるが、中学生以上になると囲碁の基本的な考えを言葉で学ぶのが上達の早道。成人には成人に向いた適切な入門の方法があって、そこから入れば、回り道のないストレートな上達が可能である。その意味で、本書は成人に的を絞った恰好の入門書といえよう。なお、子どもにはまた子ども用の教え方があるもので、相手によって教え方を変えていくことは習い事を教える側の要点であろう。それはまた別の機会にご紹介したい。 (のり) (2008年03月14日)
博士がくれた贈り物
小川洋子/著 岡部恒治/著 菅原邦雄/著 宇野勝博/著
東京図書
税込価格  1,650円
 
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世の中には理系と文系といった枠組みで人を分類しようとする人がいる。人間がそんなに単純な生きものではないことを感じているはずなのに、大学受験業界の刷り込みの産物であることに理解が及ばないのだ。本書は1人の小説家と3人の数学者の対談集である。そこから得られるものは、真に優れて美しいものは文系、理系の枠組みを超えたところに位置するものだということである。結局、この二元論で分類したがる人は、そういった美しさがわからない心の貧しい人なのかもしれない。読書子は他人からこの簡便な人間分類法をもちだされるとそのように思うことにし、自分をなだめている。 (のり) (2008年03月14日)
中国が世界をメチャクチャにする
ジェームズ・キング/著 栗原百代/訳
草思社
税込価格  1,760円
 
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北京在住の英国人ジャーナリスト、ジェームズ・キング氏による、渾身の中国レポートである。現在北京オリンピックを直前に控え、何かとその動向が注目されている中国であるが、この国家の最も根本的な課題は雇用の創出であると著者は指摘する。そのため政府は公共料金や、石油の料金を無理に低く抑えるなどして腐心した結果、現在世界を揺るがす製造部門をつくりだした。だが、その代償は?エネルギー、資源、教育、敬意への要求がそれである。現在中国がやむなく他国から金で買っているこれらのものは、製造部門以上の深刻な影響を世界に与え始めている。世界には13億人の中国人がアメリカ人と同じようにふるまえるだけの資源はないのである。(のり) (2008年03月14日)
ありがとう、さようなら
ダ・ヴィンチブックス
瀬尾まいこ/著
メディアファクトリー
税込価格  1,320円
 
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本書は『ダ・ヴィンチ』誌、2003年9月号から2007年4月号までに連載されたエッセイを集めたものである。京都府の公立中学校生徒たちとの毎日は、とても楽しく、また時には著者の苦労がしのばれる。どんな些細なことでも、生徒の気持ちを受け止めようとする姿勢が素敵である。この態度は全編を通じて貫かれ、決してぶれることはない。このエッセイの終盤に登場する、自主性にあふれた素晴らしいクラス、3年2組も、教員採用後初担任というオマケつき。まさに天の配剤かとも思わせるタイミングであるだけに、この部分についての著者の筆はなめらかだ。本書の読みどころといってよいが、それ以上に著者の感性・人間性の豊かさを感じ取ることができ、教育書としても参考になる1冊である。 (のり) (2008年03月14日)
麻雀放浪記 2
風雲篇
文春文庫 あ7−4
阿佐田哲也/著
文藝春秋
税込価格  781円
 
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この作品は、舞台を東京から関西に移し、ブウ麻雀なるルールのもとでバイニン同士の戦いが繰り広げられる。ブウ麻雀というのは、トップとの差が満貫以上になったらそこで終わりというもの。その時点で原点より黒棒一本でも下回っていれば、浮いている者に定額を払わなければならない。そこが関東麻雀と大きく違う点である。したがって勝負は早く、スピード感あふれる展開が読む者を夢中にさせる。技巧的な前作と比べて、心理面での闘いにも重点が置かれ、巧みな番外戦術で関西人たちの結束を少しずつ崩してゆき、有利な展開にもってゆくあたりが読みどころ。いいかえれば博打の玄人とは、何を基準に動いているのか、そこらへんを丹念に読み込んでゆくと、一層楽しめると思う。 (のり) (2008年03月12日)
麻雀放浪記 1
青春篇
文春文庫 あ7−3
阿佐田哲也/著
文藝春秋
税込価格  781円
 
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なつかしい作品が復刊されたものだ。この小説は昭和44年双葉社から初めて刊行され、その後昭和末期に角川書店で文庫化された。読書子がこの麻雀小説を初めて読んだのがこの時期であるから、かれこれ20年ほども前のことになる。ふたたび読み返してみる機会を得て感じたのは、初読当時と変わらぬ刺激であった。ばれなければイカサマではないという玄人同士の勝負。お互いが持てるイカサマ技を駆使して”運”を自分に手繰り寄せようとする駆け引きの連続。読書子自身、昔、牌を握っていた時期もあるだけに、たまらない興奮を感じた1冊。映画化もされているから、初めての方はそちらから入門してみるのもよいだろう。 (のり) (2008年03月12日)
麻雀放浪記 3
激闘篇
文春文庫 あ7−5
阿佐田哲也/著
文藝春秋
税込価格  737円
 
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舞台はふたたび東京へ。終戦後6年経った時期を描いている。このころになると、東京の街も復興がだいぶ進み、第1作目のような薄汚れた雰囲気は消えうせ、会社社長などのスマートな博打打ちが登場してくる。本シリーズの主人公”坊や哲”のような博打一本で生きているような玄人はもはや見つけるのが難しくなってきているのだ。このシリーズの読者にとっては寂しい限りであるが、闘牌シーンは相変わらず面白い。積み込み、エレベーターなど、イカサマ何でもありの状況で、いかにして自分に運を引き寄せるか。その超人的な技巧の数々を再び読むことができて、望外の喜びを感じている。 (のり) (2008年03月12日)
「食べない」健康法 コストゼロで今日からできる驚異の健康革命!
石原結実/著
東洋経済新報社
税込価格  1,430円
 
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東洋医学の立場から独自の健康理論を展開し、多くの信奉者をもつ石原結実氏の著作をご紹介しよう。一日1〜2食の「少食」により健康を維持回復させようとするのが本書のテーマ。豊富な実例や論文を引き合いに出しながら、説得力ある論が展開される。本来人間は常時飢餓状態におかれていたため、空腹に対応したホルモンを数多くもっているが、逆に食べ過ぎの際血糖値を下げるホルモンはインシュリンの一つしかない。つまり、人間の体は食物の大量摂取をうまくコントロールするように出来てはいないというのが根拠のひとつであるらしい。いずれにしても、生活習慣病に代表されるような過食が原因とされる疾患の多くは「少食」により制御できるのではないかと感じられる。現代人は食べ過ぎている、というのは多くの人が認めるところであろうが、それを許してきた社会環境と、個人が受けている過剰なストレスという原因を根本的に見直す必要があるのではないだろうか。皆が縛られている一日三食、という刷り込みに一石を投じる刺激的な1冊である。(のり) (2008年03月12日)
孟子
講談社学術文庫 1676
貝塚茂樹/〔著〕
講談社
税込価格  1,155円
 
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「孔孟」と、孔子と並び称される中国の賢者孟子。名前は知っていても、その人物像まで理解している人は少ないだろう。本書は、『孟子』をダイジェストし、孟子の人間性や思想を明らかにすることを目的としている。詳細は本文をあたって欲しいが、孟子自身、かなり人間的に欠点の多い人だったようである。本書の訳文と解説を担当したのが、歴史学者の貝塚茂樹であるだけに、そのへんの文章はひじょうに読んでいて面白い。『論語』を一通り読んだ方は、この『孟子』を引き比べて読んでみて欲しい。 (のり) (2008年03月12日)
論語
講談社学術文庫 1640
〔孔子/著〕 加地伸行/全訳注
講談社
税込価格  1,320円
 
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日本人にとってなじみの深い古典作品を手軽に読めるものとして頑張っているのが、この講談社学術文庫シリーズである。一日一章を読むとして、全部仕上がるまで二十日間。一日60円の投資で、あなたの人間性は磨かれ驚くほど立派な考え方が身に付くことを保証する。まず、現代語訳と注釈を読み、心に響く言葉があったら、そこで改めて書き下し文を読むのがよい。傍線を引いておけば後で再読したときの助けになるだろう。混沌の世の中を導く書として、長く学ばれてきた古典の真髄をぜひ感じてみて欲しい。論語解釈に定評のある著者の、『論語 中国の古典』(角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス)も併せておすすめしたい。(のり) (2008年03月12日)
小さな努力で大きく報われる法 幸田露伴の人生哲学名著『努力論』
幸田露伴の人生哲学名著『努力論』
幸田露伴/原著 渡部昇一/編述
三笠書房
税込価格  1,540円
 
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本書は日露戦争直後に書かれた文豪幸田露伴氏の人生哲学名著を、渡部昇一氏が現代の読者に分かりやすいように”翻訳”したものである。本書の題名でもある”努力”というものを、著者はどのように見ているのか。読者にとって興味深いであろう部分を抜き出して本書のご紹介に代えたい。著者は次のように言っている。「努力は、すなわち《生活の充実》である。努力は、すなわち各人の《自己の発展》である。そして努力は、すなわち《生の意義》そのものなのである。」。まさに目を開かれる言葉ではないか。この言葉に、著者の人生観、生き方が凝縮されているといえよう。読書好きは、何もしない人よりも努力の素質があるといえるかもしれない。数多くの本にあたる中で、本当に自分を豊かにする本に出会うことは、読書人にとって至高の願いである。 (2008年03月01日)
卵の緒
新潮文庫 せ−12−2
瀬尾まいこ/著
新潮社
税込価格  605円
 
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著者の処女作である表題作を含む2つの短編集。両親が健在で同居しているのが普通の家庭のあり方だとするならば、本短編集に描かれる2つの家族はいずれも普通ではない。しかし、この2つの家族に存在する親愛の情は、ゆるぎなくがっちりと結び合った奇跡のような輝きに満ちている。血のつながりの無い親子でも、腹違いの兄妹でも、普通の家族以上のつながりを得ることが出来る。そうした、世の中に救いや希望をを与えるような瀬尾さんの作風を、読書子は大いに好きであるし、また、彼女の作品が一人でも多くの人に読まれることを願っているのである。 (2008年03月01日)
うつを見つめる言葉
曽野綾子/著
イースト・プレス
税込価格  1,320円
 
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ひとつの言葉が一人の人生を救うことがある。また、1冊の本との出会いが一人の生き方を変えることがある。本書に収められた文章はそのどれもが短いが、「寸鉄人を刺す」という言葉のとおり読み手の心に響くものをもっている。「人生とは不純である」まずこのことを受け入れておきなさい、と著者は言う。人間に与えられた時間は有限で、われわれは矛盾の中に生きている。小さなことでは妥協もよし、ただし大きな道は絶対踏み外さないように。そういう人生を歩むことが出来るように、われわれは様々な努力をし、また時には弛みながら生きてゆくのである。 (2008年03月01日)
曙光の街
文春文庫
今野敏/著
文藝春秋
税込価格  858円
 
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日本に潜入した元KGB工作員ヴィクトルと公安刑事の倉島、そしてヴィクトルの標的であるヤクザ組長のボディガード兵藤。かつて輝きのある人生を送っていたこの3人が一つの事件に絡むとき、それぞれが失われた自分の生きがいを取り戻してゆくというストーリー。事件の進行と共に、お互いが相手に抱く親しみのような感情は何と表現したらよいのだろうか。同じ匂いのする人間同士が抱く仲間意識とでもいったらよいであろうか。立場こそ違えど彼ら3人の姿はとても魅力的で、今後も続きを見たいと思わせられた。人生の目標は人を再生させる特効薬であることを認識させられる1冊。 (2008年03月01日)
戦艦大和 生還者たちの証言から
岩波新書 新赤版 1088
栗原俊雄/著
岩波書店
税込価格  858円
 
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戦後60年を過ぎ、おそらく最後の機会であろう生存者たちの証言を丹念に取材した貴重な1冊。当時の科学技術の粋を結集して建造された戦艦大和。その技術は戦後の造船王国日本の基礎となり、今日の繁栄を築いたとして好意的に評価する声がある反面、生存者たる元乗組員たちが置かれた立場はひじょうに微妙である。警邏中の兵士でさえも、大和乗組員には足止めをしなかったという話があるように、ひとつのエリートとして社会に認知され、また乗組員本人もそれを自負し誇りとしていた。しかし、不沈艦といわれた大和が沈んだ後は様相が一変する。自分だけ生き残ったことで、無くなった戦友の遺族に対する負い目を感じる生存者たち。 かつて栄えある大和乗員と期待していた家族の誇りが、生存者たちへの嫉妬と憎しみへと転化する。これは、死になんらかの意味を見いだそうとする遺族の心の現れなのかもしれない。敗戦とはかくも多くの人の心を奪った出来事と感ぜずにはいられない。(のり) (2008年02月24日)
楽しい読書生活 本読みの達人による知的読書のすすめ
本読みの達人による知的読書のすすめ
渡部昇一/著
ビジネス社
税込価格  1,540円
 
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読書子は三人兄弟で、父親の収入によってのみ生活していた。ために毎月のおこづかいはなどはなく、本当に最小限の −外に出て恥ずかしくないようにという程度の− 生活をしていたと思う。その父が唯一子どものわがままを許したのは本であった。「日本子ども文学全集」、「世界子ども文学全集」、そして子供用に編集された江戸川乱歩全集に夢中になった。だから近所の友達が流行の玩具をもっていても羨ましいとは感じたことはなかった。いま思えば心の豊かさという視点でいうなすばらしく幸福な体験をしてきたと思う。本書は、若者の世代に対するオヤジの言葉であり、オヤジの世代に対する子育てのヒントであり、さらに、おじいさんの世代に対する第二の人生に対する指南書であるといえよう。あらゆる年代の人のために、ぜひ本書を薦めたい。書店員だから薦めるのだといわないで欲しい。必ず、啓発される部分がある。書店のみならず出版業界全体の願いは、著者流にいうならば本によって人生を豊かにして欲しい、このことに尽きるのである。 (のり) (2008年02月24日)
ほかに踊りを知らない。
東京日記 2
川上弘美/著 門馬則雄/絵
平凡社
税込価格  1,320円
 
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『東京人』連載日記の単行本化第二弾。語感がよいな。のどにひっかかった秋刀魚の骨が、一晩経ってから出て来たとき、川上さんはなんとのどのお肉に感謝する。「肉さま、ありがとうごぜえます」。ここの部分、つっかえていたモノがとれた爽快感の表現がいい。半分に割った栗を割り箸の先でほじくってできた粉末を、乾いた耳くそと形容する。豊かな言葉っていいな、と感心しながらも、相変わらず爆笑間違いなしの1冊である。 (のり) (2008年02月24日)

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