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ほんのいえ宮脇書店越谷店のレビュー |
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掲載レビュー全614件 |
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無限の王 ジョジョの奇妙な冒険 | ||
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この小説は「宝島」で直木賞を受賞した真藤順丈が、荒木飛呂彦のオリジナルコンセプトから生み出した“ジョジョの奇妙な冒険”のスピンオフ作品なのだ。先ずは表紙の黒バックに赤く光る荒木飛呂彦のカッコいいイラストが目に飛び込んでくる。どこかダークな雰囲気ながら躍動感漂う文体には、漫画とはひと味違った醍醐味が感じられる。読み進むうちに胸がざわつき、熱くなり、没頭してしまう。 漫画のファンはもちろんだが、ジョジョはじめましての読者も楽しめる作品だ。 (2024年05月19日) |
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変な家 | ||
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超話題の覆面ホラー作家による不動産ミステリ!独特な雰囲気漂う世界観。隠された間取りにひそむナゾを追ううちに、ストーリーにのみ込まれていく感覚に包まれる、まさに変な小説である。ミステリの新たなる可能性を感じる。 公開中の映画もヒット。第二弾とあわせて、変な世界にヤミツキになりそうである。 (2024年05月16日) |
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水車小屋のネネ | ||
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本屋大賞第2位の注目作品。ネネは姉妹が出会ったおしゃべりをする鳥。そのネネに見守られた姉妹の40年の人生が静かにていねいに流れていくのをゆっくりとじっくりと読み進めていきたくなる。 新聞小説の連載時から話題となり、著者自ら「もっとも長いものを書いてしまった」とある。思わず手を伸ばしてしまう装幀に加え、本文中のイラストが物語の世界を作りあげている。いとおしさいっぱいの長編小説である。 (2024年05月14日) |
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もう明日が待っている | ||
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あれは夢だったのかもしれない。それほどに信じられない現実を多くの国民がテレビで見た。なんとなく知っていたはずの出来事を稀代の放送作家が物語として切々とつづった。それは身を削り、涙を拭いながらだったに違いないと読むほどに伝わってくる。息苦しさを感じつつもタイムトリップしていて読み進めずにはいられない。 放送作家“魂”をここにみた。 (2024年05月11日) |
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成瀬は天下を取りにいく | ||
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見事「本屋大賞」を受賞!!強豪なライバルノミネート作品を抜け出しての快挙だ。本読みのプロたちの力強いお墨付きの連作短編極上青春小説と言えるだろう。 滋賀県大津市を舞台に活躍する、破天荒で圧倒的なインパクトをもつ主人公の中学生成瀬あかりに惚れ込んでしまう。 本作の大賞受賞で、成瀬シリーズ続編の「成瀬は信じた道をいく」の注目度も爆上がり。当然のごとく、今後のシリーズ展開から目が離せない。 (2024年05月01日) |
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あなたの言葉を | ||
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小説家辻村深月の最新エッセイ。紡がれる言葉からは繊細な感性の根源に触れることができる。ひとくくりの文章の中に込められたそれぞれのメッセージは、記憶に留めておきたいものばかり。若い読者へのやさしい語りかけが印象的で、子どもたちを見つめる思慮深いまなざしを感じる。辻村作品の魅力にあらためて気づかされる。 (2024年05月01日) |
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予幻 | ||
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凄腕ボディガード・キリが主人公の人気シリーズである。 読む手を思わずぎゅっと握りしめてしまうほどの臨場感や疾走感を小説で堪能できる作品。 テンポ感あふれる会話にのまれつつ、ハードボイルドならではの没入感に酔いしれる。 ボリューム感たっぷりでも密度が濃くて絶対に満足できるのが大沢在昌作品の魅力。大御所の進化はとまらない。 (2024年04月24日) |
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放課後ミステリクラブ1 | ||
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『ようこそ。ミステリ好きの人生へ』冒頭のひと言に吸い込まれていく。画期的なシリーズに注目だ! 全てにふりがな、難しい言葉なし、新しい知識がいっぱいの児童書を超えた児童書である。それでいて本格ミステリなのだからすごい。黒バックのページの「ぼくは読者に挑戦する。」の決めゼリフには子どもだけでなく全ての本読みが興奮するだろう。 あとがきには、学ぶことの大切さや、時にはお医者さんの立場で子どもたちにたいせつなメッセージを贈っている。教室の本棚にシリーズが並ぶ光景が目に浮かぶ。児童書で初めて本屋大賞にノミネートされるなど、早くも夏発売予定の新刊が待ち遠しい。 (2024年04月05日) |
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あいにくあんたのためじゃない | ||
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筆者ならではの圧倒的な筆力で読む手が止まらなくなる。凝縮感のなかに過激さと救済が混在している。社会派短編小説とでも言おうか。複雑な人間関係の鬱陶しさに苛まれつつも、人と繋がっていたくてしょうがない現代人の思いが練り込まれているようだ。小説の限界をみごとにとっぱらってしまった。 (2024年03月30日) |
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ブラック・ショーマンと覚醒する女たち | ||
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隠れ家的バーの元マジシャンマスターが主人公。シリーズ第二弾で早くもニューヒーロー定着だ。魔術のような巧みな話術でウソやナゾを解き明かし、思いもよらぬ真相をつきとめていく。高密度でキッチリと詰め込まれた珠玉の短編6作品。 長編のみならず、東野圭吾の世界は奥深い。第一弾も文庫化されているのでおすすめ。 (2024年03月20日) |
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ファラオの密室 | ||
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「このミステリーがすごい」大賞受賞作。歴史ロマンたっぷりの古代エジプトが舞台でありながらの本格ミステリというオリジナリティあふれる贅沢な作品だ。欠けた心臓を取り戻すために蘇ったミイラが主人公。タイムリミットが迫る中で、先王のミイラの謎をめぐる大事件に遭遇という奇想天外のストーリー。あらたなミステリーの楽しみに気づかせてくれる。 (2024年02月18日) |
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窓ぎわのトットちゃん 続 | ||
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後世に読み継がれるべき本である。世界的大ベストセラーとなった前作の、「それから」を読みたいという強い要望を受けた待望の一冊。42年を経て書かれた続編は、まさにトットちゃんの青春記で、期待を超えてまたも読ませてくれる。たのしくもあり、切実でもあり、悲しくもありの、あふれんばかりの思いがいっぱいつまっている。そしてあらためて、戦争はあってはならないのだという強いメッセージが伝わってくる。もう一度、トモエ学園時代のトットちゃんから読み返したくなる。 (2024年01月24日) |
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Q | ||
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幻想的な装丁に目を奪われ圧倒的な質量がズシリと伝わってくる。闇を疾走する感覚とでも言おうか、高揚感に包まれつつグイグイと引っ張っていかれる。登場人物たちの心の揺れに共振してしまうのはまさに作者の筆の力。江戸川乱歩賞受賞でデビューし、その後も話題作を放ち続け、いまや直木賞に最も近い作家といえよう。 (2023年12月31日) |
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君が手にするはずだった黄金について | ||
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こんな小説あったんだ!と思わずうなってしまう。小説家の術中にみごとにはまってしまう奇妙な読後感。本を読みながらにして、思いもかけない荒技をかけられた気分を味わった。作者自らを主人公にして、己れをさらしているようでもあり、そうでもないようでもあり。連作短編のどれもが練られている。小説家小川哲の書くものはおもしろいぞ!目を離すなよ!との小説家自らの宣言を受けた。 (2023年12月24日) |
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あなたが誰を殺した | ||
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これこそミステリ!との評判が高い東野圭吾の「加賀恭一郎シリーズ」の最新作。本格ミステリの原点に触れる思い。別荘地で起きた連続殺人。飛び散った伏線回収は次々と思いもよらぬ展開へと進む。人間模様が複雑に入り乱れ、じっくりと練り込まれたストーリーにのめりこみたい東野ファンの満足顔が浮かんでくる。もちろんミステリ小説に飛び込んでみたい本好きの期待にも応えられるはず。ただの犯人さがしに終始しない本格的推理小説であるところが大きな魅力。圧倒的な洞察力をもつ主人公の個性がさらに覆いかぶさる。シリーズが根強い人気を証明している。 (2023年10月12日) |
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陰陽師 烏天狗ノ巻 | ||
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ご存知安倍晴明と源博雅の最強バディが平安屋敷の簀子の上で酒を酌み交わす姿が目に浮かぶ。1986年スタート以来の人気シリーズは第18巻を迎えた。話題となった「梅道人」などオール讀物掲載の8編を収録。著者自身の闘病中の想いが作品にも強く反映しているようで、いっそうに読み応えを感じる。 2024年GW公開予定の実写映画化が決まり、ますます目が離せない。 (2023年11月20日) |
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記憶の歳時記 | ||
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「天使の卵ーエンジェルス・エッグー」で鮮烈デビューを放った村山由佳が30周年の節目を迎えた。直木賞をひっさげ、今なおドキドキさせる小説を書き続ける作者の記念碑的エッセイ。季節の移ろいを盛り込みながら家族のことやら猫のことやらを紡ぐ12の想い。記憶のかけらを巧みに出し入れしながら、作家の今を語る。締めくくりにある編集者の注文にこたえたという掌編小説は実に趣深い。さらなる円熟味を増した小説が待っている気がする。 (2023年11月19日) |
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なれのはて | ||
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テレビ局員の主人公が異動先で出会う一枚の絵からすべてがはじまる。謎の画家をたどるうちに、1945年終戦直前の秋田大規模空襲の悲劇へとつながる。練りに練った構想がみごとに400頁を超える大作に結実している。身内も含めた広範囲で綿密な取材が説得力ある描写を裏打ちする。戦争の悲惨さをつむぐ作家の覚悟が伝わってくる。 作家加藤シゲアキが次なるステージにあがった。本作が代表作になることは間違いない。 (2023年11月19日) |
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イーロン・マスク 上 | ||
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世界で超話題作の主人公は稀代の起業家と言われるイーロンマスク。世界的ベストセラー「スティーブ・ジョブズ」を放った伝記作家でもあり、ジャーナリストでもある著者が、約2年に渡って間近で取材し続けた。SF好きな少年が、家庭で苦しみ、学校ではつらい境遇だったという。名門大学の休学を経て起業の道へと進む。家族や彼を好ましく思わない人への取材も緻密。人類の未来へ向かって、テクノロジーで不可能を可能にする、超越した原動力の根源をひも解いた現代偉人の上下巻2冊の公式伝記である。 (2023年10月24日) | ||
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NAME (ネイム) | ||
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小説のタイトルの意味を最後まで追いかけながら読んでしまう。まさに今の時代の多様すぎる生き方のオモテとウラをつぶさに描いていることで、時に息苦しさも感じるほど。独特の世界観がこれまでにない読後感につながる。些細な仕草やさりげない情景の描写が細やかでリアリティにあふれている。作者の作詞家としての魅力とはひと味違った、小説家として芥川賞候補にあがっただけの力量を予感させる。 (2023年09月26日) | ||
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